デイの利用者2名様で、「香川の歴史と文化展」に行きました。
ご本人たちは、日常生活上の行動(外出等)を行うに当たって、特に大きな支障なく、行動することがあります。
しかし、実際の生活ではほとんど外出はなく、親族や友人などが車を出してくれる時しか、外出はしないそうです。
また、車を出してもらっても、気を使うことが多く、外出は億劫になるようです。
近年、自動車の普及にあたり、香川県の自家用乗用車の普及状況は、1世帯あたり1.337台(全国23位)にもなるようです(https://www.airia.or.jp/publish/statistics/trend.html「自動車保有動向 – わが国の自動車保有動向」より)。
また、道路舗装率は99.95%(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A6%99%E5%B7%9D%E7%9C%8C%E3%81%AE%E7%9C%8C%E9%81%93%E4%B8%80%E8%A6%A7「ウィキペディア」より)もあり、平成22年では、全国一位の道路舗装率になるようです。
そのため、香川県での車移動は便利ですが、他県に比べてさらに舗装率が高いことから、さらにスムーズな移動が可能になることが考えられます。
お二人も、車の運転をされていましたが、昨今心身の不調により車の運転を控えているようです。
それに伴い、外出もほとんどしていない模様です。
そんな、生活を一変したいと、お二人は「公共機関を使ってどこかに出かけれるようになりたい」という希望を持つようになったようです。
そして、その相談を受けたのが私たちだったのです。
まず、2016.12.9にお二人で計画を立てました。
今回は、バスを利用して「香川の歴史と文化展」に行くようです。
下の写真は、二人で時刻表をみて、予定を立てています。
その後、しっかりとした予定が立てることが出来ましたので、実際に2016.12.14にお二人で実行することになりました。
天気は良い方ではありませんでしたが、寒すぎることもなく、外出するにはいい機会だったといえます。
出発して2~3分後、予定通りにバスの乗り場につきましたが….
なんと、バス停はバス停でも、目的のバスは停まりません…。
しかし、お二人はくじけません。
少し困惑しましたが、時間的に余裕を持っていましたので、とりあえず、「おそらく瓦町には停まるだろう」と笑いながら、瓦町のバス停に行くことにしました。
行先変更時の道中、
A氏:「間に合うかな?」
B氏:「早足(早歩き)で行ったら、間に合うんちゃう!」
A氏:「そやな(笑)」
B氏:「間に合わんかっても、笑い話で話のネタになるかもしれんし、それはそれでええかな(笑)」
A氏:「まー頑張っていきましょう!」
といういう具合に瓦町のバス停にいきました。
時刻表を確認したところ、とっさの判断が良かったのか、目的通りのバスに乗車することができました。
これは、展覧会の最寄りのバス停について降りるところです。
運賃の精算や乗り降りも、介入なく行動することができました。
<今回の散歩の訓練効果>
①公共機関の利用
・近年、高齢者の事故等により、免許返納制度を推奨する時代になりました。
しかし、高齢者や障碍者にとっては、自動車による移動は、病院や交際、また趣味活動等を実施するにあたって、気軽にその場所にいけるという意味では重要なことといえますが、自動車の運転ができないことで、多くの方が送迎を頼むことや、公共機関やタクシーを利用することが必須ともいえます。
ここで問題になることは、公共機関の利用です。
若いときには、電車・バス・JRなどの利用をしたことがなかったという方も多く、利用の仕方がわからないようです。
もちろん、「乗り降りの動作ができるのだろうか?」と不安になることもありますが、多くの方の話を聞くと、「乗る時の動作」ではなく、まず「利用方法」が先に不安になる傾向にありました。
以下のポイントをしっかりと認知していただくことで、最初のハードルである「利用方法」の不安を解消することができました。
(POINT)
「利用方法面」乗車賃の支払、時刻表の見方、どこで乗るかなど
「動作面」乗り降り動作(足が上がるか⇒ノンステップバス利用)、必ず座ること(※混雑する時間はさける)など
(期待できる効果)上肢機能向上、認知機能向上、目と手の協調性、フィードバック特性、想起、コミュニケーション、計画・立案、公共機関の利用、歩行動作・バランス能力など